北海道探訪記


温暖化の影響でしょうか?
今年の北海道の夏は4つの台風の襲来で全ての農産物に被害が及び、
海産物の昆布も大減産で価格高騰は避けられそうにありません。
特に弊社が使用する天然真昆布の状況が特に厳しく、
新昆布の仕入れは過去最悪となりそうです。

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  • 探訪後記




    今回の訪問で感じたことは、北海道の特産物が異常気象で相当影響を受けているということ。
    人知を越えた力には人間は無力であり、自然を受け入れるほかない。
    改めて和食に無くてはならない海からの贈り物『昆布』を大切にしていこうではありませんか。


8月24日(水)
心配していた台風は南方で停滞しており
予定通り函館に到着。
連日35℃の神戸とは別天地の涼しさです。
まずは明日入札を待つ昆布品見会場へ。
例年は所狭しと並んでいる昆布が画像のようスカスカで
寂しい限りです。








夜は恒例の懇親会です。
今では少なくなった大好物のいか刺しに舌づつみ。






8月25日(木)
昨晩漁師さんから聞いていた
「昆布が生えていない」本場折浜の現場を船の上から確認。
他の海藻もなく岩礁が真っ白で点在する黒いウニが
哀れに見えました。
漁師さんの作業場を見てなおビックリ。
例年は2階に山積みの仕立て前の昆布が一本も無く、
1階の作業場も整理されており漁師さん曰く
「今年の作業はもう終わりやね…」
暫く沈黙が続くと有線放送で
「今年の天然昆布漁は終わりです」
と何とも寂しい声がこだましました。
良質な昆布が多く見れるはずのこの時期に
この状態では予想以上に深刻です。

8月26日(金)
道の駅「なとわえさん」で弊社商品を 販売してもらっている
黒口浜の佐藤さんを訪ねてお話しを聞きましたが、
状況は更に悪く天然真昆布は壊滅に近いとのこと。
原因は相次ぐ冬の爆弾低気圧の高波で昆布が抜けてしまったそう。 温暖化で猛烈に発達し防波堤を波が越えてくるのだそうです。
漁師さんも促成昆布があるとは言え天然が全滅だと収入が減り
大変です。
『来年は水昆布があるのでこのような事はない』
と話されていましたが、近年の気象ではとても心配です。
夜は尾札部青年部の方々と常宿のホテル恵風にて懇親会です。
白口浜も減産ですが他の浜よりはマシなようで少し安心しました。
ただ天然は2年なので本格的な回復は再来年になるらしく 手持ちの原料を大切に使うよう肝に命じなくてはなりません。

8月27日(土)
朝9時に尾札部漁港に集合。
あいにくの雨で乗船は出来ず、作業場を見学。
促成昆布は大量にありましたが、天然は昨年の半分以下でしょうか。 日本一の昆布(尾札部天然元揃昆布)は荷割なので弊社には必ず入って来ますが 数量は期待できません。
天産物相手の商売はこれから益々厳しくなりそうです。
初日から同行していたお得意様の方々と昼過ぎに別れ、 ひとりのんびりとニセコ昆布温泉に向かい出発。
天候も良く途中恵山、駒ヶ岳、 噴火湾を眺めながらFBにもアップした開湯120年の老舗旅館で宿泊しました。
以前から気になっていた「山の中なのになぜ昆布という地名なのか?」 の答えを探しに! まずJR函館本線の昆布駅、ニセコ3山の一つ昆布岳、ニセコ温泉郷の一つ昆布温泉など駅を中心に学校、病院に至るまで昆布の文字が入っていました。
開湯120年の旅館で聞いてみると長年の疑問が解決しました。 駅のすぐ近くに「尻別川」があり海で採った昆布を わざわざ船で運んで貯蔵していたのだそうです。 ニセコの山の中が昆布の貯蔵に適していたのでしょうか? また川の道しるべに長い昆布を使っていたようです。 こんな山奥まで昆布が運ばれ地名として残っている事に昆布の偉大さを改めて感じました。
夜はゆっくり露天風呂に入りそこからの星空は素晴らしかったです。

8月28日(日)
宿を出て午前中にスキーのメッカ、
ニセコアンヌプリゴンドラで1000m展望台へ。
眼前の羊蹄山、
昆布岳から遠くは洞爺湖有珠山までの大パノラマが 広がって
素晴らしい景色でした。
下山後、日本名水100選である羊蹄山麓の 吹き出し公園で
美味しい水をいただき 大満足。
名残惜しいですが17時の飛行機に合わせて函館へ出発。
考えてみると 札幌に向かった方が余程近かったみたい…??